そもそもボルダリングって何?

ジムにおけるボルダリングとは、飛び降りれる程度の低い壁を登るクライミングと言えます。ジムでは壁の下にマットが敷き詰めてあるので、ロープで安全確保をする必要もなく、シューズと滑り止めのチョークだけで空身で登るとても手軽なスポーツとして世界中に広まっています。老若男女誰でも今すぐにでも楽しめるボルダリングですが、その歴史というと大げさですが、ジムができる前からの経緯なども知っておくとより深く楽しめるかもしれません。

もともとボルダーとは河原や山の中などに転がっている大きな岩のこと。それを登る行為だからボルダリングです。登山における岩登りをする人、つまりロック・クライマーが遠くの大岩壁に挑むための日頃のトレーニングとしてボルダリングをしたという側面もあります。

山の中を歩いていたら、高さ3メートル位の岩が転がっていました。攀じ登って上から周りを見てみたいと思う人はクライマーならずとも多いはずです。その岩の周囲をぐるっと見渡してみると、①簡単に登れそうな面もあれば、②ちょっと難しそうだけど頑張れば登れそうな面、③ツルツルでとても登れそうにない面があることが分かりました。ある人が②の面にトライして成功しました。その人がボルダリングをやっている人であればそこに名前を付けて雑誌に発表したりして、好事家が次々とそのコースにトライするようになります。ボルダリングの課題(ルート)はこのようにしてできます。もっと強くてうまくなれば③の面にも課題ができるかもしれません。

一方、ボルダリングジムにおける課題とは決められたホールド(壁についているカラフルな石、手掛かり足掛かり)を使ってスタートからゴールまで登る、そのコースのことです。自然の岩では、おおよそのライン周辺のあらゆる凹凸を個々人が自由に探し選ぶのと少し違います。

本式の競技では一つの面に1つの課題が作られ、自然の岩とよく似た状況が作られますが、いろんなレベルの人が同じ壁を共有するジムでは、一つの面に課題一つだけというわけにはいきません。

そこで壁にできるだけたくさんホールドを付けて、使用するホールドにシールなどで目印をつけて限定することで様々な難易度の課題が作られます。通常、難易度はシールの色で分けられ、課題は同じ色で同じマークや数字のシールをスタートからゴールまで登ることで完登とみなされます。

気軽に誰でも楽しめるという観点で人気が高まっているボルダリングですが、もしもジムにマットが敷き詰めてなかったら、あるいは自然の岩の下はむき出しの地面である、と想像してください。ほんの1メートルでも落ちるのを躊躇するはずです。ハイボルダーといって落ちればただでは済まない課題に挑む人も一部にはいます。そこにはワイワイと仲間で盛り上がることとはまた違った、メンタルゲームとしての世界があります。ジムでも一人真剣に課題に向き合う人も多くいます。肉体的なスポーツとしてだけではなく、精神面にも目を向ければ、より深くボルダリングを味わうことができるでしょう。