生涯スポーツとしてのクライミング、ボルダリング

どんなスポーツでも元気な若者が有利なのは明らかです。年齢を重ねると筋力・体力そして気力の衰えは避けることができません。

ボルダリングも例外ではありません。運動神経、反射神経、感覚器官の鋭さ、柔軟性、敏捷性など運動能力がピークを迎えている若者達の上達の速さには目を見張るものがあります。

ボルダリングを含むスポーツクライミングは東京オリンピックの正式種目にも選ばれ、日本選手は上位入賞が有望であるため日本国内での人気も高まり、なかなかの盛り上がりを見せています。それはメディアへの露出やクライミングジムの急増といった形でクライミングを知らなかった人にも急速に認知されています。

しかし、以上のことはクライミングの「競技スポーツ」としての側面に過ぎません。

そもそもボルダリングやフリークライミングは登山のロッククライミングの一形態であり、ここ数年の流行でもなく、昔からあるものです。登山がそうであるようにクライミングも他人と競うことが本来の目的ではなく、その人なりの自分の目標に向かって自己を高めたり、楽しんだりする活動です。

競技ではない本来のボルダリングは完登目指して何度トライしてもよいし、全く自分のペースでやるものです。運動経験の有無、運動能力の高さ、老若男女、障害の有無どんなレベルの人でも、その人なりの課題やルートを見つけて楽しむことができます。

若いときはどうしても結果にばかり目が行きがちですが、年齢を重ねた人は落ち着いて過程を大切にしながら物事に取り組める、それが上達においても、深く味わい楽しむためにも大きな強みになります。

ボルダリングしかり、マラソンしかり、気持ちのギアを一段でも二段でもシフトダウンして楽しめばあなたの「生涯スポーツ」になるはずです。