クライミングライフ#4/20

自分の弱点を知る

 クライミングを始めたならその上達を望み、上達に喜んだり、上達を感じないことに悩んだりするだろう。20年前に山と渓谷社が出した「パフォーマンスロッククライミング」という本がある。その第1章に「最も弱い環(わ)の原則」ということが書いてある。輪ゴムみたいなものを引っ張れば、切れるのは一番弱い部分であるように、クライミングのパフォーマンスもその人の弱点に左右されるということ。だから自分の弱点を知ってそこを強化する方が、得意なことを伸ばすよりも効率よく上達につながるという考え方だ。おそらく正しい原則だと思う。しかし誰しも自分の弱点を探すのは面白くないし、他人から指摘されたら腹がたつし、認めたくないというのが現実である。本当の弱点は死ぬまで治らないものだし、その弱点こそがその人の長所であると考えることもできる。自分の弱点は程よく気にしながらクライミング(に限らず趣味でも仕事でも)をやり続ける。そうすれば何かしらの上達があると信じる。面白くなくなったら何か別のことをすればいいよ、というのは悪魔のささやきで、それを繰り返していたら上達はあり得ない。100年人生、人生は何回でもやり直しがきく、とは言っても元気で体が自由に動く時間は意外に少ないのではないか?

 

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