クライミングライフ #17/20

 雑穀谷にテスというルートがある。昨日(20024年5月22日)も触ってきた。ここ何年も登れていない。毎年、何回か登ろうとするのだが、登れない。でも、昨日はいい感じになってきた。あと、1,2手、1歩、2歩といったところだろうか。ふと、この1手、1歩にクライミングが凝縮されているな、と大げさなことを考えた。

年をとると言い訳、愚痴、思い出話が会話とか日頃の考えの大半を占める。そんな自分が嫌だなと思いつつも、どうしてもそうなってしまう。テスに関して言えば、昔はこんなん何回も登っているんだと、聞かれもせんのに言ってみたり、夏場はホールドがぬめってだめだとか、体重が増えたから無理とか、可動域がどうのこうのとか、指力がとか、あいつは軽いから登れるとか、若いから登れるとか、チビは有利だとか、あいつはヘタだ、テスはチンケだとか、語り始めるときりがない。クライミングとは体力、テクニックだけでなく、見栄や虚勢、恐怖など精神的な要素もとても大きい。その時の景色、今だったら新緑とか爽やかな風とか、そのときのビレーヤーとの関係性とか、まわりにいる人との会話とかも構成要素といえる。

テスの出せない、1手、1歩、に似せたホールドをジムの壁にセットして練習してみたり、体幹を意識してみたり、走ってみたり、トレーニング効果を実際のクライミングで感じれた時に大きな喜びを感じる。今のテスの一歩がそれに近い。長い間感じていたテスの困難性が、ちょっと自分的にピント外れだったな、と思えるところに、自分のクライミングの伸びしろを感じれたり。いろんな意味で今、テスにトライするのが楽しい。来週は登れるかな?

 

 

 

 

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