本屋で立ち読みしていたら「PEAKS」という山雑誌で、小川山の特集をしていたので買ってしまった。「日本のヨセミテを大解剖 小川山クロニクル」というもので、小川山の40年の歴史がまとめられていた。
今は見る影もないけど、こんな自分にも、日本のトップ=東京もんには負けんぞ!という気概を持っていた若かりし頃があった。ゲッコーを立ち上げた時にはそんな気概もかなりしぼんでいたけど、それでも、早く富山にジムを作らなければますます都会に遅れをとるといった焦りみたいなものがあった。
クライミングを始めた1980年代初頭、中央のクライマーの動向は、小川山のどこそこを登ったという形で自分に刺激を与え、俺もやってやるぞという気持ちにさせてくれた。このような中央ライバル視のメンタリティーが今も少しは残っていて、昨今のジムラッシュを見るに付け、どいつもこいつも都会の真似しやがって、ケッと、ついつい思ってしまうのが時代遅れというか、恥ずかしいのだが…。
燃えない、やる気が出ん、もう年だ…弱音ばかりの現在の自分とは関係なしに、小川山は昔と変わらず、素晴らしいクライミングルートを抱えて、今も存在している。
あのカラっとした花崗岩のクラックやスラブを登る自分をイメージして、小さいことは気にしないでクライミング本来のモチベーションを高めていきたい。