ゲッコー通信

11月1日(木)

冬支度

ストーブを出した。日中、点けようかとも思ったが意外に暖かいのでやめる。夜お客さんが居てその時冷え込んでいたら点けよう。一昨日は扇風機を仕舞った。ゲッコーにあるこの使い込んだ冷暖機器、出すときも仕舞う時も季節の移ろいや、これまでのジムの来し方を感じずにはいられない。クライミングやボルダリングはスポーツとしての面が今大きく世の中に広がっているけど、小川山のカラマツの黄葉の中でのボルダリングだとか、雑穀谷の秋の青空だとか自然を感じる登山の一分野としてのクライミングを忘れたくない。ゲッコーはそんなクライミングを伝え実践する場であり続けたい。仕事終わりはゲッコーで登り休みの日は外へ出かけよう。

 

ゲッコー通信

2018年10月21日(日)

気軽にルートクライミングの練習

ロープの結び方、カラビナへのクリップの仕方、リードや確保の実際の練習、懸垂下降、仮固定、登り返しetc. ルートクライミングには覚えるべきことがたくさんあります。自然の岩場に出かける前に反復練習したいところですが、なかなか良い場所がない。講習に参加しても説明についていくのに精いっぱい、自分のペースでゆっくりと復習したい。友達と話し合いながらじっくりと練習したい。そんなときゲッコーがぴったりです。練習に適度な高さの壁があるので精神的負担が少ない状態で落ち付いて少し高所でのロープワークなどができます。インストラクターはそれとなく見ていますが、明らかな間違いとか差し迫った危険や要望がない限り口出ししません。自分が納得するペースでゆっくりと技術を習得して下さい。もちろん講習を希望されてもOKです。

クライミング教室10月募集分は10月20日締め切りです

2018年10月16日(火)

クライミング教室10月募集分は10月20日締め切りです。

教室のページをご覧ください。

自然の岩の魅力

FMラジオでボルダリングの魅力を紹介していた。いろんな難易度レベルの課題があるから初心者から上級者まで誰でも楽しめる、道具がいらない、体一つでできる気軽さ、ダイエットや肩こりにも効果あり、頭の体操になる…などなど。全くその通り。でも私が特に思うのは自然の岩の魅力だ。自然の岩は触るだけで地球からエネルギーをもらえるような気がする。岩や巨石といった中身がぎっしりと詰まった圧倒的な存在はジムの小さなホールドや張りぼてでは感じれない安らぎみたいものを与えてくれる。

ジムでのボルダリングは気軽で楽しいけど、自然の岩を体験するための入り口とも考えることができる。ゲッコーではともに外へ出かける仲間を待っています。

クライミング教室参加募集中です

クライミング教室参加募集中です。(教室のページをご覧下さい)

2018年10月11日(木)

ジュニアのボルダリング、シニアのボルダリング

ゲッコーには様々な年代の人が訪れる。20~30代男性がメインだが、小学生や50代60代の女性も登りに来る。はた目から見ると筋力が発達した若い男性が一番登れるだろうと思われるだろうが、子供や年配者の登りに感心させられることもしばしばだ。最近熱心に通っている小学女子の壁にとどまる適応力には目を見張るものがある。例えばスラブを登っている時。年配者の体が膝や足首などの関節が加齢によって硬化してしまったピノキオのようなイメージだとすれば、小学生はカエルか何かの軟体生物のごとくである。力などほとんど使わずグニャッといった感じで細かいスタンスに乗り込んでしまう。確かにその能力にはかなわない。でもそうかといって年配者が全くだめかというとそうでもない。無理をしないで様々な工夫を根気強く繰り返して、そうやって目標の課題を地道に確実に落としている。こどもみたいにすぐ投げ出したりしない。そう、ボルダリングは人それぞれ、自分のやり方で取り組めばいいのだ。ゲッコーの良さは年代を超えて刺激を与えあう場であるということだ。そこを大切に考えたいと思う。

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10月5日(金)

いつでもオンサイト?

 知り合いの70代の方がおっしゃった。とても博識があり聡明な方なのだが、最近はふとしたことが思い出せないことがあるそうだ。昨日もおにぎりを3ケ作ってひとつは後で小腹がすいたときに食べようと、どこかにとっておいたところ、それがどこだったかどうしてもわからなくなってしまったとのこと。

 笑って聞いていたが、だんだんとそれが他人事には聞こえなくなってきた。クライミングでもオンサイトとかレッドポイントだとかシビアに語るのがクライマーとして自然だと考えているが、はたして60,70になってもそんなことを言っているだろうか?そうではあるまい。体力は落ち記憶力もおぼつかなくなって、何度トライしても初見と同じになってしまうかもしれない。

 でもそれもよいではないか!登れるだけでも幸せ、若いクライマーといっしょに話しているだけでも楽しい。これもまたクライミングの良いところだと思う。自分を笑い他人を励ますクライマーになりたい。

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2018年10月4日(木)

クライミングを始めるのに良い季節、

本日レディースデイ!

10月は空気も乾燥してきて、気温も暑からず寒からず。ちょっと寒い位がホールドが持ちやすくて、ボルダリングやクライミングをするには良い季節です。外へ出かけれれば快晴の青空の下、紅葉も始まり気持ちよく登れるでしょう。

ゲッコーは本日レディスデイ、会員女性は500円(会員以外700円)です。

 

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2018年10月1日(月)

ゲッコーの年パスはおすすめですよ

クライミングによらず、本当に楽しみたい、上達したい、ダイエットしたい、強くなりたい、ストレス解消したい…と思えば興味本位でちょっとやってはすぐやめる取り組みではだめでしょう。最低3か月、そして1年、3年、10年、20年とやって初めて物事の深みや人生における価値、楽しみや喜びが味わえるのではないでしょうか?そこには進学、就職、転職、結婚様々な人生の節目があってもとにかく続けようという意志、そしてつかず離れず良い距離感で励ましてくれる仲間が必要です。

フリークライミングジム ゲッコーは気軽にご利用される方も大歓迎なのですが、年パスを購入して1年に40回以上(約週一)はジムを利用して元をとろうというような方を特に応援します。年パス購入の方には優先してクライミングやトレーニングのコーチ、パートナーを務めさせていただきます。ご希望の方にはお一人お一人ノートを取ってサポートします。これで年間6万円。小学3年から年配の方までどなたでも。私も勉強させてもらい一緒に上達を目指します。(年パスサポートは先着40名限定、以後は教室でのサポートとさせていただきます)

      公益社団法人日本山岳ガイド協会認定スポーツクライミングインストラクター 土肥浩嗣

 

ゲッコー通信

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2018年9月25日(火) 

ビヨンド・リスク~世界のクライマー17人が語る冒険の思想~

この本は最近文庫化された。文庫本の帯で山野井泰史が「この本を何度読み返したことだろう」と述べているが、自分も発売から22年の間、折に触れ何度もページをめくっている。今ふと思ったけどこの22年というのはそのままゲッコーの歴史(というと大げさだけど)に重なることになる。本書の内容は著者ニコラス・オコネルによるクライマー17人のインタビュー集だ。インタビューを受けたのはラインホルト・メスナーを筆頭にリカルド・カシン、ヴァルテル・ボナッティ、ロイヤル・ロビンス、ウォレン・ハーディング、ヴォルフガング・ギュリッヒ、リン・ヒル、ピーター・クロフト、トモ・チェセンなど。アルパインクライマーだけでなく、ヨセミテクライマーやフリークライマーが多く含まれているのが、我々世代のクライマーにはたまらないところだ。

この本をバイブルのようにしている人はたくさんいると思うが、17人のクライマーの思想や哲学や行動を等身大のこととして実現しえたのは山野井クラスの人だけであって、ほとんどの人が遠く及ばないのは世の習いであろう。しかし読書レベルであったにしても、それぞれのヒーロー、ヒロインの歴史、生の声に少しでも触れることによって、我々のクライミングや登山、人生に深みとか味わいが与えられてきたのではなかろうか。今ゲッコーに来ている人たちは、この本とは別世界にいるのかもしれない。しかしジム・クライミングも、大きなクライミング文化、哲学、思想のひとつの副産物として生まれてきたんだよ、ということを嫌がられない程度に伝えていきたい。それが、古くからジムをやってきた者の一つの使命だと信じて。

 

ゲッコー通信

2018年9月22日(土)

段、級について少し考える

最近ジムに来ている子供のお母さんから、次のような質問を受けた。「水色シールが全部登れたら、うちの子は8級がいただけるのでしょうか?」 なるほどそろばんとか書道とか、柔道でも剣道でも昇級試験に受かれば、その級や段が与えられる。

ボルダリングにおける級とか段は、課題に付けられた難易度であって、それが何本登れたからといって資格的な段とか級が与えらるわけではありません、と答えたものの、これが正しい答えとは言えなくなってきている。

たった一本の段や5.14を登っただけで、多くの人があの人は段持ちのボルダラーだとかフォーティーンクライマーだとかと称える。個人的には安定して少ないトライ数でそれらのグレードを何本も登れて初めて○○クライマーと言えるんじゃないの?と考えてきたが、ここ数年クライミングジムの激増と相まってクライミングに対する考え方も大きく変化している。昨年、中央のクライミングジムが中心になってボルダリング検定が始まった。まさにこれは検定員の前で指定難易度の課題を登ることができれば、その人に5級とか1級とかが認定がされるもの。

面白いと思うし、ジムに通う人の励みにはなると思う。しかしクライマーの多くが何級クライマーという基準でしか見られない社会がいずれ来ると想像すると、クライミングを登山の一部として考えてきた者にとっては抵抗がある。あの人はあの名ルートを開拓した人とか、粘り強い登りをする人とか、美しい登りをする人とか、その人の経験とかクライミングに取り組む姿勢とかで見るのが自然ではないか。クライミングはじっくりと長く深く取り組む対象であるのに、ちょっとやってはやめる軽薄な風潮を煽らないか?いやいや、こおいう動きがクライミングのすそ野を広げクライミングを発展、熟成させていく……、のかな?

ゲッコー通信

2018年9月20日(木)

消費のクライミングと反芻のクライミング

自分の考えが小さく固まってしまい、老化の一途を辿っていることを物語るような話であるが、最近同じ課題やルートを何回でも登って味わいたいという気持ちが強い。若い時はジムでも岩場でも次から次へといろんな課題を落としていく消費欲にあふれているけど、今はこれまでに登ったルートでも、これから登る課題でも、同じものを何回でも登りたいと思ってしまう。反復に耐えうるルートとの出会いを欲している。小川山や雑穀谷には長年の親しみと重なってそのようなルートがいくつかある。秋晴れの雑穀へ行きたくなってきた。でも未知の岩場とか海外のクライミングに思いをはせる気持ちはまだまだ失いたくはない。(写真は5年前位のものです)