シンクロニシティ、あるいは思い込み

 昨年5月、自分はヘリで長野の佐久総合病院に搬送された。そこの売店のブックコーナーで、同病院の医師であり、芥川賞作家である南木佳士さんを知った。以来、彼の著作を本屋で見つける度に買っている。最近、2冊のエッセー集を読んだが、「山行記」の中で吉田拓郎の「流星」という曲が好きだ、ということを書いておられた。拓郎の「流星」は自分も好きで、1984年のオーストラリアツアーで勝手にテーマソングにしていたし、その時友人がくれた拓郎詩集のその箇所を何度も読んだりしていた。(「流星」は、映画コクリコ坂の主題歌を歌っている手嶌 葵さんもカバーしていて最近それがリコーのCMでも流れていた)

そしてまさに、身の程知らずもいいとこだけど、自分の憧れのルートが「流れ星」なのである。

南木さんの最新エッセー集「生きてるかい?」では、再び「流星」に触れておられ、さらに「書く行為とロッククライミングは似ているのではないか…」とまで書いておられ、ますます親しみを感じている。

クライミングに飽きるということはないのだが、目標を持って燃えることがどんどん無くなっていくのを止めることができない。ほとんどこじつけと思えるシンクロニシティで、なんとかモチベーションをつないでいる次第である。

佐久総合病院は、これまた好きな作家である笹本稜平の「春を背負って」にも出てくるし、この作品はなんと、川上村(小川山の)が舞台でもあるよ。あそこの雰囲気が好きな人は一度読んでみてください。

 

水曜桜ケ池

 夜のビールを旨くするため、Oイユージと桜が池。ユージは今日初桜。

またまた背中が張って、腰も痛いのでヤワヤワとやる。

今日も6ちゃん、子供の指導。ワシはユージの指導。まだまだロープの繰り出しが遅いぞ!!

突然だが、城端のファミマが8月31日で閉店するそうな。ちょっと不便。

お父さんブログに10便出したと書いていたので、ワシも対抗して10便。ユージは6便。前半ヤワヤワやっていたら、時間がなくなったので、最後、左固定壁の10c、左可動壁赤、黄色、紫を立て続けにやったらテン山になってしまった。弱っとります。この辺りのグレードのリードをやると、いい感じで腰がほぐれるので、ちょくちょくやりたい。

 何度も本ブログで触れているが、このところの事故についてゲッコーの仲間と話すことが多い。

大切なのは安全の知識を絶えず吸収し実践する姿勢。あの人がこうしたから自分もこうする的な考えは危険だ。たとえば、誰かがビレーのときどんどん下がっていったから俺もとか、しゃがんでビレーしたから俺もとか、あいつがクリップ飛ばしたから俺もとか…。そうやっていて、落ちたときどうなるか、きちんとイメージしたいものだ。

 俺がビレーするからには、この人は絶対怪我させないぞという気持ちでやりたいし、自分もいつも周りからチェックされているという緊張感をもってクライミングを続けたい。もちろん楽しむのが一番だけど怪我したり死んだりしたら終わりだもんね。

 

 

小川山「ブルースパワー」の事故に思う

 先日雑穀谷で死亡事故があったが、小川山でも前後して事故があった。マラ岩の名ルート「ブルースパワー」でのこと、核心部でフォールした際ヌンチャクからロープが外れ岩に激突し、数日後死亡されたとのこと。

 この時ロープがはずれた原因を何件かネットで検索し、ジムの仲間にも少し説明していたが、自分の解釈はちょっと間違っていたようだ。それはそれとして、その外れたヌンチャクの下に一旦はカムをセットしていたにもかかわらず、はずしてしまっていたことが大フォールにつながったということだ。

最近、雑穀ではできるだけナチュプロで登ることを楽しみにしている私だが、特に「不二越」でロープの流れを考慮して、カムの架け替えや、スライドをする。この時もほんの少しだがそのカムが外れたらグランドフォールする局面がある。これからは、ここでもう一つカムを固め取りしたいと思う。

 ジムでボルダーばかりやっていると、ムーヴ優先で登ることばかりに意識が向いてしまう。ジムのウレタンマットの上だけならそれでいいけど(ということもないか、ジムでも捻挫したり骨折したりする人もいる)、その思考のままリードとか自然の岩に行ってしまうと、クリップ飛ばししてみたり、安全を考えたプロテクションを作れなくなってしまう。

最近ゲッコーでもリード流行の兆し?があったり、自分も生岩講習を考えたり(今日は雨で中止にしましたが)より安全を考えなければいけない現状。

登るためのトレーニングと同時に、安全に確保したり、プロテクションを取る意識を高めましょう。

ジムでクライミングを始める人に、この辺の危険性を理解せよというのはなかなか難しい。マットの上に寝転がって他人の登りを見たり…、きちんと注意するのも私の仕事だ。

 

 

ジム使用上のモラルについて

 最近、ジムから無断で備品を持ち出す者が増えています。

2本あったスラックラインが無くなったり、雑誌やコミックを持ち帰ったり、かなり勘違いしている人がいます。

持っていく方は軽い気持ちでも、持って行かれた方は心穏やかではありません。

またゲッコーでは会員の方が個人装備を置いておく専用スペースがあり、このような状況が増えると会員にも不安を与えかねません。

 会員が自由に練習できるのがゲッコーの方針ですが、心無い者が増えることで、自由度を制限していくということは私としても本意ではありません。

 「借りたい」と一言いえば済む話です。

持っていった人は速やかに返却して下さい。

 

 

 

JOC2011

 ジュニアオリンピック2011。いつも3日間お手伝いしているが、今年は所用があって一日目と二日目のみ。黙々とビレーをこなす。1件、フォールした子供の足にロープが絡まりひやりとした。子供は試合中、精神的にもテンパッっているので、ちょっと考えられない絡み方もするし、そこから抜け出せないこともあるのだなと思った。あの場合、自分としてもっと良い対処方はなかったものか?

今回はセッターのHガシさんが登っていって助けたが、壁の中で子供が動けなくなった場合、速やかに動ける役を決めておくべきなのかもしれない。まあいろんなことがあるもんだ。

 

JOC 011blog.jpg

 

JOC 009blog.jpg

Oっシー、まるD、Fるっキー、Yすもんとソフトクリーム食べてから帰る。

JOC 008blog.jpg

ひまわり満開だけど、お盆を過ぎて、夏も終わり。

 

ジュニア登山教室in立山2011

 昨年に引き続きジュニア登山教室のクライミング体験で、登山研修所へ。ゲッコー会員のK池嬢と。

関東地方を中心に小1~中1までの子供達約40名をトップロープで遊ばせる。去年も来ていた子も多く、私を覚えていて「あ!イケメンの先生だ」と駆け寄ってくる女の子も何人かいた。

見たままのことを正直に話すことも大切だが、もう少し奥ゆかしさを身につけないと、魅力的な女性にはなれませんよ、と教え諭す。このあたりが、そこいらのクライミング教室とは一線を画すところである。

ジュニア登山 002blog.jpg

ビレーと声援でちょと疲れたので、本物のイケメン校長の所でちょっと世間話をして一服してから帰った。明日、明後日はまたビレーマシーンになろう。

8月のホールドとおすすめ本

8月のホールド。AXISというメーカーの

「Positive Edges」というセット。
かかりの良いエッジのセット。
持ち替えしにくいサイズで、セッターの思惑通りのムーブを導くことができます。

21個入り。赤色。

 
 
ホールド 001blog.jpg
 
 
ホールド 002blog.jpg
世界経済の先行きに対する不安から、買い控えようと思っていたが、先月のブログで「これから毎月買っていく」と宣言してしまったし、常連の中でも強い発言力を持つ方から、「8月のホールドは買わんのか?」と言われたので、何とか1セット購入しました。リードの壁に付けてます。まだ途中ですが。
 
閑話休題、今年の江戸川乱歩賞は史上初女性のW受賞だったのですが、その一つが「クライミング・ハイ」という題名だったので、ちょっと注目していました。先日、本屋へ行ったら「完盗オンサイト」と改題されて平積みされていたので買いました。改題したのが編集者だとしたらなかなかのセンスだと思います。現在、読んでる最中。考えることがクライミングとか登山のことと、志向性が偏っているので、山岳物の本を見つけるとすぐ買ってしまいます。ここ数年の中で超気に入っているのは笹本稜平の「駐在刑事」と「春を背負って」です。笹本は自分の中では五指にはいるお気に入りの作家です。
 
 

雑穀の事故について

 昨日雑穀で亡くなったのは、富山市の75歳の男性であったことを今朝の朝刊で知った。

脳挫傷で即死とのことだった。「脳挫傷」という言葉を見ると、軽度とはいえ昨年それを経験した自分としては恐怖を感じずにはいられない。

どんなアクシデントがあったにせよ、その人なりに注意はしていたはずだ。ご冥福をお祈りする。

 毎週のように通っている身近な岩場での事故。ただ恐いと思うのではなく、これからもクライミングを続けていく自分への注意を促すメッセージとしてしっかりと心に刻み付けよう。

ゲッコーの仲間達とも互いに安全を誓い合いたい。

雑穀で死亡事故

火曜夜のゲッコーは大盛況。

会員より下記のニュースを聞き驚く。

KNBニュースより

2011 年 08 月 09 日 18:58 現在
雑穀谷で男性が転落し死亡


 立山町芦峅寺の雑穀谷の岩場で9日夕方、男性1人が転落しているのが見つかり、

その後、死亡が確認されました。

 上市警察署によりますと9日午後4時半ごろ、立山町芦峅寺の雑穀谷の岩場の下に、

男性1人が転落していると110番通報があり、現場で男性の死亡が確認されました。

 現場は、称名道路から300メートルほど入った谷筋の岩場です。

 警察はこのあと、男性の遺体を収容し、身元や死因を調べることにしています。

 県内では山岳死亡事故が5日連続して発生しています。

8月最初の週末と月曜雑穀

 8月6日(土)7日(日)暑い。こんなゲッコーでも来てくれる人がいて有り難い。

暑いときには汗をダラダラかき、寒いときには震えて登る。それが自然の岩登り、ゲッコースタイル。まあ、本物のエコですわな。

それはさておき年々腰周りやケツまわり、ハムストリングの張りというか疲れが取れず、登るにしても走るにしても躍動感がなくなってきている。トレーニング量を落とし質を高め、休養、回復を重視するようにしたい。そして技術を磨くこと。

月曜の雑穀を楽しみにして、日曜日中にたまっていた書き仕事を全て終わらす。

その割には雑穀ではなんだかマッタリとしてしまい、サンセット1回、不二越2回、チャック2回を登ったのみ。ここも暑い。しかし、パートナーのM木おとうさんは頑張っていた。

こんなに暑いのに、ミズガキ山は濡れていたということで、長野の佐久から雑穀へ来たというペアもいた。それだけ雑穀は奥が深いということか?「雑穀飽きた」と言うのはまだまだ早い。

どこにどんなプロテクションがとれるのか、ジョーズ、不二越、サワコ、チャック…、クラックの隅々までじっくりと舐めるように研究するのだ。

そういえば先週雨の中、チャックにセットしたカムを回収している時の発見。どんなにバチ効きのカムでも、そこに雨が流れ込むと少しずつ滑り出て来る。要注意!!城ヶ崎でもしおしおのヌルヌルクラックからカムがスッポ抜ける事故が頻発していると聞く。とにかく絶対安全ということはありえない。

気を引き締めて登るべし。