小川山クロニクル

 本屋で立ち読みしていたら「PEAKS」という山雑誌で、小川山の特集をしていたので買ってしまった。「日本のヨセミテを大解剖 小川山クロニクル」というもので、小川山の40年の歴史がまとめられていた。

今は見る影もないけど、こんな自分にも、日本のトップ=東京もんには負けんぞ!という気概を持っていた若かりし頃があった。ゲッコーを立ち上げた時にはそんな気概もかなりしぼんでいたけど、それでも、早く富山にジムを作らなければますます都会に遅れをとるといった焦りみたいなものがあった。

 クライミングを始めた1980年代初頭、中央のクライマーの動向は、小川山のどこそこを登ったという形で自分に刺激を与え、俺もやってやるぞという気持ちにさせてくれた。このような中央ライバル視のメンタリティーが今も少しは残っていて、昨今のジムラッシュを見るに付け、どいつもこいつも都会の真似しやがって、ケッと、ついつい思ってしまうのが時代遅れというか、恥ずかしいのだが…。

燃えない、やる気が出ん、もう年だ…弱音ばかりの現在の自分とは関係なしに、小川山は昔と変わらず、素晴らしいクライミングルートを抱えて、今も存在している。

あのカラっとした花崗岩のクラックやスラブを登る自分をイメージして、小さいことは気にしないでクライミング本来のモチベーションを高めていきたい。

サワコシ?

 水曜雑穀。Uジとのんびりと登る。サワコから不二越に繋げるライン、自分で勝手に「サワコシ」と命名して通しでやってみた。もちろんテン山。問題は出だしのプロテクションを取る所で、力が吸い取られること。もう少し岩がカラッとしてぬめりが無くなってきたら行けそうな感じ。

途中両手を離して休めるところが2箇所ほどあるけど、おらっちゃロックの下から上までほぼ真っ直ぐに、オールナチュプロで登る美しいラインだと思う。残置の青エイリアンを使わないのが自分のルール。

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サワコシのギア。別にヨセミテに行くわけではない。

 

Uジはスーパークラックの練習。今日も下克上はならず。でも次ぐらいは行くかも。

相変わらず雑穀通いが続くけど、サワコシとか、チャックをオールナッツ(カムを使わず)でやるとか、スーパークラックをナチュプロでやるとか、いろいろ目先を変えて楽しみたい。いずれ何かの役に立つだろう。K北さんが木を切ってくれてすっきりとしたウィーリーもちょっと触りたい。

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アサギマダラもひらひらと飛んできた。

 

雑穀にて外岩教室

 先月、雨でお流れとなった外岩教室、本日行いました。

 定員5名のところお集まり頂いたのは3名。Y田さん、S田(姉)嬢、S水さん&見学女子。安全を考えながら一人で説明するのに、5名はちょっと多すぎるので、丁度良い人数だったと思う。次回からは定員4名にしたい。

 教室の内容はハーネスの装着、8の字結びに始まり、トップロープで確保を体験してもらい、最後は2人組みでリードとビレイをやってもらった(安全を考えてそれを私がトップロープで確保する形、ゲッコー用語で「なんちゃってリード」)。

 集まった全員が乾いた岩の感触や、青空に向かって登る爽快感が良いと盛んに感動してくれたことが一番嬉しかった。

 教室をやっていた別の岩では、K北さんがルート整備をしてくれたり、Oっシー&妖精ペアが登っていたり、その他にもちょっと懐かしい面々がいたり、久々の日曜雑穀は、バラエティ豊かに過ぎていくのであった。

 ガイド講習の途中で訪れた雪男氏の話によると、Aフェース右上に大きな浮石があるとのこと。

我々の教室もAフェースの左の方でやっており、その時間帯右の方を登っていた人もいたので、注意が必要。外岩を推奨はするけど、危険はすぐそこにあるということは忘れてはいけない。

 集合写真撮ったけど、顔を出すのが恥ずかちーので載せません。ごめんなさい。

 

 

Uジ、スーパークラック、オンサイト!! ならず…

 久々の晴天の雑穀。日差しは夏の名残をとどめているが、ちょっと陰れば、吹く風は秋の清清しさ。

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今日のメンバーはUジとセッキー。Uジはスーパークラックで下克上を狙うが果たせず。セッキーはウルトラマンのムーヴを探る。私は昨日の疲れで、今日は軽め。不二越、チャックにカムをかまし、スーパークラックの手本をUジに見せようとするが、大した見本とはならず。

次は疲れを抜いてきたいものだ。雑穀はこれから良い季節です。

 

予期せぬトレーニング・デイ

 月曜夕方、妖精様から「明日、魔王様と桜ケ池で登りませんか?」とお誘い。「はい行きます」と即答。

 6日火曜、5時半から1時間弱ランニング。いつもの五百羅漢~呉羽ハイツコース。だんだんいい感じになっている。朝食食べて、出発。この時点では、桜ではのんびりヤワヤワ登るつもりだった。

しかし考えてみたらこのメンバーでヤワヤワでは済まされないのであった。結局、お二人は14便でノーフォール。私は11便で10回くらいテンションをかけてしまい、息も絶え絶え。妖精さん、大魔王さん二人ともジムのリード持久トレーニングの効果が出ている。自分も少しは良くなっている。このリード持久トレはぜひ続けたい。

17時半位まで、代わる代わる登り、すぐゲッコーへ。なかなか盛況。

疲れているけど感覚が麻痺して、セッション突入。結局23時まで登ってしまった。

 

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予定していなかったけど、トレーニング漬けの一日でした。明日は雑穀。久々に雨に祟られずに登れそう。

大町マラソンエントリ&トレ近況

 8月は富士山の疲れが抜けず、軽い腰痛もあって、日々のトレーニングも体と相談しながらやんわりと行った。

 9月2日、締切日当日に大町マラソンエントリ。富士山以降のラントレは、自宅~五百羅漢~呉羽ハイツ(8.5km位、125段の階段や坂道あり)コースを7回と、県総などで15km程度2回、それだけ。

1回走ったら中3、4日空けて充分疲れをとり、心拍計で負荷をコントロールして走っている。

フルマラソンに出るならもっと距離を踏むべきだが、今の体調では25とか30キロ走るのが辛い。

しかし9月の下旬まで1回は30キロ走をやって、大町はトレーニングの一環としてタイムを気にせず、楽しんで完走したい。

 これから来年の春まで、階段や坂道、山道のトレーニングをコツコツと積み上げる。来年5、6月は藤橋~称名、瀬戸蔵山で追い込んで、7月は疲れを抜いて富士山に挑戦。これが大まかなプラン。

 ところで、ゲッコーでは常連の一部でリードトレーニングが流行中。自分も4本ほどルートを作り、登ってもらっている。もともと大魔王が持久トレで何往復もする姿に、妖精さんが触発され、Oっシー、お父さんが加わり、自分も加わったもの。5.11程度のルートなら、ボルダーのハードムーヴで体を痛めることも少ないし、汗もたっぷりかけて爽快だ。全身痛いところだらけの中高年クライマーにはぴったりのトレーニング。

ボルダーもリードも、生岩もオールラウンドにクライミングを楽しみたい方、ぜひゲッコーに来られたし!!

 

 

ゲッコーのデカ・ユージ、ハットトリック達成

 3週間ちょっとぶりの雑穀。パートナーは頭の形がちょっと似ているというだけで、ユージと呼ばれるようになった、Oイ選手。昼過ぎ大魔王合流。間違えて桜ケ池へ行っていたそうだ。さすが…。

 岩の状態悪し。涼しいと思ったら、強烈な日差し、かと思ったら雨がパラパラ。

そんな悪条件の中、ユージはハットトリックを達成した。チャック、今日の一撃。バットマン、雨で一回中断した後、2撃。実質1撃みたいもん。不二越、大魔王にヌンチャク掛けてもらいフラッシュ。長身を利した、素晴らしい粘りのクライミングであった。このところゲッコーでも一生懸命トレーニングしている成果がでたようだ。

私はサンセットとチャックでアップ。サワコ一回テン山で登って、さて練習しようかというところで雨、すぐ回収。ユージ、大魔王、そしてジムで頑張っている人たちを見習って、私もトレーニングを本格化しよう。ここ2週間ほど痛かった腰も、徐々に治りつつある。

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シンクロニシティ、あるいは思い込み

 昨年5月、自分はヘリで長野の佐久総合病院に搬送された。そこの売店のブックコーナーで、同病院の医師であり、芥川賞作家である南木佳士さんを知った。以来、彼の著作を本屋で見つける度に買っている。最近、2冊のエッセー集を読んだが、「山行記」の中で吉田拓郎の「流星」という曲が好きだ、ということを書いておられた。拓郎の「流星」は自分も好きで、1984年のオーストラリアツアーで勝手にテーマソングにしていたし、その時友人がくれた拓郎詩集のその箇所を何度も読んだりしていた。(「流星」は、映画コクリコ坂の主題歌を歌っている手嶌 葵さんもカバーしていて最近それがリコーのCMでも流れていた)

そしてまさに、身の程知らずもいいとこだけど、自分の憧れのルートが「流れ星」なのである。

南木さんの最新エッセー集「生きてるかい?」では、再び「流星」に触れておられ、さらに「書く行為とロッククライミングは似ているのではないか…」とまで書いておられ、ますます親しみを感じている。

クライミングに飽きるということはないのだが、目標を持って燃えることがどんどん無くなっていくのを止めることができない。ほとんどこじつけと思えるシンクロニシティで、なんとかモチベーションをつないでいる次第である。

佐久総合病院は、これまた好きな作家である笹本稜平の「春を背負って」にも出てくるし、この作品はなんと、川上村(小川山の)が舞台でもあるよ。あそこの雰囲気が好きな人は一度読んでみてください。

 

水曜桜ケ池

 夜のビールを旨くするため、Oイユージと桜が池。ユージは今日初桜。

またまた背中が張って、腰も痛いのでヤワヤワとやる。

今日も6ちゃん、子供の指導。ワシはユージの指導。まだまだロープの繰り出しが遅いぞ!!

突然だが、城端のファミマが8月31日で閉店するそうな。ちょっと不便。

お父さんブログに10便出したと書いていたので、ワシも対抗して10便。ユージは6便。前半ヤワヤワやっていたら、時間がなくなったので、最後、左固定壁の10c、左可動壁赤、黄色、紫を立て続けにやったらテン山になってしまった。弱っとります。この辺りのグレードのリードをやると、いい感じで腰がほぐれるので、ちょくちょくやりたい。

 何度も本ブログで触れているが、このところの事故についてゲッコーの仲間と話すことが多い。

大切なのは安全の知識を絶えず吸収し実践する姿勢。あの人がこうしたから自分もこうする的な考えは危険だ。たとえば、誰かがビレーのときどんどん下がっていったから俺もとか、しゃがんでビレーしたから俺もとか、あいつがクリップ飛ばしたから俺もとか…。そうやっていて、落ちたときどうなるか、きちんとイメージしたいものだ。

 俺がビレーするからには、この人は絶対怪我させないぞという気持ちでやりたいし、自分もいつも周りからチェックされているという緊張感をもってクライミングを続けたい。もちろん楽しむのが一番だけど怪我したり死んだりしたら終わりだもんね。

 

 

小川山「ブルースパワー」の事故に思う

 先日雑穀谷で死亡事故があったが、小川山でも前後して事故があった。マラ岩の名ルート「ブルースパワー」でのこと、核心部でフォールした際ヌンチャクからロープが外れ岩に激突し、数日後死亡されたとのこと。

 この時ロープがはずれた原因を何件かネットで検索し、ジムの仲間にも少し説明していたが、自分の解釈はちょっと間違っていたようだ。それはそれとして、その外れたヌンチャクの下に一旦はカムをセットしていたにもかかわらず、はずしてしまっていたことが大フォールにつながったということだ。

最近、雑穀ではできるだけナチュプロで登ることを楽しみにしている私だが、特に「不二越」でロープの流れを考慮して、カムの架け替えや、スライドをする。この時もほんの少しだがそのカムが外れたらグランドフォールする局面がある。これからは、ここでもう一つカムを固め取りしたいと思う。

 ジムでボルダーばかりやっていると、ムーヴ優先で登ることばかりに意識が向いてしまう。ジムのウレタンマットの上だけならそれでいいけど(ということもないか、ジムでも捻挫したり骨折したりする人もいる)、その思考のままリードとか自然の岩に行ってしまうと、クリップ飛ばししてみたり、安全を考えたプロテクションを作れなくなってしまう。

最近ゲッコーでもリード流行の兆し?があったり、自分も生岩講習を考えたり(今日は雨で中止にしましたが)より安全を考えなければいけない現状。

登るためのトレーニングと同時に、安全に確保したり、プロテクションを取る意識を高めましょう。

ジムでクライミングを始める人に、この辺の危険性を理解せよというのはなかなか難しい。マットの上に寝転がって他人の登りを見たり…、きちんと注意するのも私の仕事だ。